kintone認定 カイゼンマネジメントエキスパート
ソフトパワー研究所認定TOCジュニアインストラクター
大手ショッピングセンター開発ディベロッパーを経て、ダイレクトマーケティング会社へ入社。その後、家業である有限会社矢内石油にて2011年リフォーム事業を立ち上げる。リフォーム事業の成長と共に業務管理や情報共有について自社独自の取り組みを進め、2018年より業務改善支援コンサルティング事業を開始。
私がなぜ、この仕事を手がけるようになったのか、どんな想いで業務改善の支援をしているのかをご紹介させていただこうと思います。
ずっと地域に根差しながら個人事業のような形で30年以上営んでいたこともあり、両親の頭の中にしか顧客や取引に関する情報が蓄積されていないのです。家族間でもこれだけのストレスがあるなら、スタッフを増やしながら仕事を任せていくことはできることはできない、という課題に気がつきました。
そんな中、矢内石油の顧客のお婆さんから「足を伸ばしてお風呂に入りたい」と相談を受けました。私自身リフォームの経験はなかったのですが、なんとかその思いを叶えたいと考え、風呂場のリフォームにチャレンジする機会が訪れました。すると、「ありがとう」と感謝されたのです。
それまでは燃料を配送しても感謝されることはなかったので、その言葉には驚きました。誰かの役に立ち、喜んでもらうことこそ仕事のモチベーションや楽しさにつながることを知り、住宅リフォーム事業を立ち上げ、仲間を増やしていくことを決めたのです。
2015年、2人の仲間を増やすきっかけがあり、チームは4人体制になりました。そこで、情報共有を初めとするチーム運営の難しさに気がつき、出会ったのがサイボウズのkintoneです。
たとえば、リフォームのお客さまから電話が来ます。営業はもちろんその方を知っていますが、内勤のメンバーは何一つ知りません。
情報がうまく共有されていないことで、いい形での初期対応ができず、その落ち度によって不満やクレームに繋がってしまいました。
その不満は、営業がきちんと報告してくれないから、という内勤社員の不満にもなります。
kintoneを使えば、工事の進捗はもちろん、お客さまの心理的な部分までを登録し、電話を受けた瞬間に誰でもその情報を把握できます。
今では当たり前のことになり、チームワークになっているのだな、と感じています。
その経験をkintone hiveで紹介したところ、ファイナリストに選出され、「Cybozu Days 2018」の「kintone AWARD 2018」に参加し、グランプリをいただくことができました。
その流れで、グループ会社の「ほがらか苑」という有料老人ホームの業務改善のお手伝いをすることになりました。
当たり前のことですが現場に赴き、徹底的にヒアリングし、業務を把握し、プロジェクトのメンバーとディスカッションしました。
単なる外注として行くのではなく、現場の一員となって、自分の持てる力を出し合いながら、業務改善に体当たりしました。
kintoneアプリに託すところや、運用のなかで解決を図るところなど、お互いに知恵や工夫を出し合いながら一緒にゴールを目指し進めていきました。すると結果的に、毎日3~4時間かかっていた記録業務を30分に短縮。0.5人を雇用した効果が得られました。アプリができた、ということではなく、チームワークができあがっていく感覚がとても印象的です。とても楽しい経験でした。
「ほがらか苑」のお仕事が終わったとき、「今、kintoneがなくなったらどうなりますか」との質問に、「暴動が起きます笑」と答えてくれたのは、最高だなと思いました。仕事の一部に完全に組み込まれたということだからです。こんなに仕事冥利に尽きることはありません。
工場の手作業の人や接客業の人、パソコンやスマホに触る習慣のない人など、本来システムやITには縁がないと仰る方の負担こそなんとかしたいです。働きやすくなれば、辞めにくくもなり、会社が回っていきます。すると、その地域からお店や会社がなくならないで済みます。社会を支えている人を支えたいのです。
おかげさまでいろいろな会社からお声かけいただき、お手伝いさせていただくことが増えてきました。その中でいろいろ見えてきたことがあります。
業務改善を実現するためには、業務フローを徹底的に把握しなければなりません。実際に伺って入り込み、ひとりひとりから話を聞く必要があるのです。
同じ業務でも人によって処理するタイミングが異なることがあります。
その部分を押さえないまま進めてしまうと、kintoneアプリができあがっても、結局不満が残るシステムになってしまうのです。
今の業界はまだまだフルスクラッチ型のシステムが多いのが現状です。要件定義をして、決定して1000~2000万円かけて開発しても、完成したころには業務ルールが変わっていて使えない、ということもあります。そもそも、中小企業にはその予算がないことがほとんどです。そこに対して、kintoneが効果的に効いたなと実感しています。
ただ、業務改善を達成するためには、経営者の協力も必要です。必ずしも経営者が会議や現場にいなくてもいいのですが、業務ルールを変えるための決済権を、参加する人に少なからず渡して欲しいのです。新しい業務フローやkintoneアプリができても、生まれるまでのプロセスを見ない状態で、後から却下されると意味がありません。
レゴブロックで何が作れるのか?と聞いているのと同じです。何を作りたいのですか? としか言えません。逆に、誰のために、何のために、解決したい課題があるのか、ということがクリアになっている会社であれば、業務改善は実現できると思います。
例えば「残業を10時間減らしたい」をゴールにするのではなく、残業を減らした結果、「部下が子供の運動会に参加できるような環境を作ってあげたい」、という想いが大事なのです。無理矢理課題を探すようなら、それは課題ではありません。
仕事で紙の多さや情報の転記作業に悩んでいるところは、相談してください。特に、中途採用を積極的に行っている会社は是非。
中途採用は仕事が増えたから、その補填として雇う会社も多いと伺います。人手不足への対応は、中途採用でも業務効率を改善して作業時間を圧縮するのも価値としては同じです。ITや仕組みで、一定の品質で仕事をこなせるような業務フローやアプリを作れます。
業務改善をしたい、業務改善したいがやりかたがわからない、背中を押して欲しい、自分たちの仕事環境をよくしたい・・・・・と悩んでいる人はぜひ、ご相談ください。